Profile
株式会社リラィアブル
代表取締役社長 佐藤暁哉様
gashacoco コーチャンフォー新川通り店 他7店舗
目次
ー既存事業について教えてください。
北海道を中心に複合商業施設を運営しており、書籍事業、文具事業、ミュージック事業、飲食事業4つの柱を中心に事業展開をしておりました。近年は、特にミュージックエリアが売上減少傾向にあり、コロナ後も伸びることはないだろう、と考えていました。在庫も半分まで減っていたので、売り場スペースの活用方法を検討し始めました。そこで6年前から食品事業もはじめ、スーパーマーケットや小売店を出店しておりましたが、まだまだスペースを減らす余地がありました。
ースペース活用できる事業を探されていたのですね。新規事業として、カプセルトイ事業を検討した理由を教えてください。
カプセルトイが近年人気というのはわかっていたのですが、当初は子供向け商材だと思っていました。しかし実際に市場調査をしたところ、子供だけでなく、若い女性や年配の方など、幅広い年齢の方が、カプセルトイ専門店を求めていることがわかりました。当社は”3世代”をターゲットにしていたので、既存のお客様との親和性があったというところがカプセルトイ専門店に興味を持ち始めたきっかけです。
ー特にどのような点が事業参入の決め手になったのですか?
新商品が定期的にでるのは大きいなと思いました。1か月に1回来店いただきたいので、新商品が定期的に出ることで「また来週もこようね」と次の来店動機を生んでいます。その導線上で、書店などにも来てくれますし、カプセルトイからの帰り際もあるので、相互集客効果が生まれており、狙い通りでした。来店基盤は安定していたので、その既存顧客がカプセルトイを回したら、かなりの売上インパクトが出ると思いました。当社は書店メインの複合店なので、書店の面積を減らさずに参入できることも決め手となりました。
ー参入前後で既存事業への影響はありましたか?
文具エリアで販売するキャラクター文具の売上は、カプセルトイ事業をやることで売上が落ちるのでは?という懸念がありましたが、ポケモンやすみっこぐらしのキャラクター文具を買った客層が同じキャラクターのカプセルトイを回す動きや、飲食エリアにきて、購入した商品を開封する動きがみられました。
また、本や文具の値段が高騰しているので、いままで3冊購入されていた方が、2冊に減らすなどの傾向がありましたが、カプセルトイは平均単価が300~400円で購入しやすいので「1個だけね」と購入が発生しやすく、商品ラインナップで新しい価格帯をつくることができました。いろいろなものの単価が上がっている中、この価格帯で買えることは重要ですね。
人員もミュージックコーナーとの兼務で常時2~3人が手空き時間でgashacocoの商品補充もやるので、アイドルタイムをうまく使えるようになったこともよかった点です。既存業態が、日本でも有数の大型複合店というところを売りにしており、大型でやろうと思っていましたが、北海道1番の規模感を出して、話題になりました。
ーカプセルトイビジネスの業態の魅力はずばりどこだと考えていますか?
カプセルトイは日本人に適したビジネスだと思います。日本人はミニチュアが好きで収集癖があるので、そういう意味ではカプセルトイはすべてをかなえる事業です。細かい技術は海外にも需要があるので、インバウンドでも反響があることを考えると可能性が未知数ですね。普遍性のある事業で長く文化がありますので、人に愛される事業であることが最大の魅力ですね。